ホルモンバランスの乱れが不正出血やニキビを招く!対処法や治療方法

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「エストロゲン」と呼ばれる卵胞ホルモンと「プロゲステロン」と呼ばれる黄体ホルモンから成る女性ホルモンは、絶妙なバランスを保ちながら私たち女性の心身をコントロールしてくれています。
しかし、ホルモンバランスは非常にデリケートで乱れやすいものであり、このことによる弊害が多いのもまた事実なのです。
考えられる症状はいろいろとありますが、ここでは不正出血とニキビについて考えてみましょう。

ホルモンバランスの乱れによる不正出血

「不正出血」とは、生理でもないのに下腹部から出血してしまうことです。
通常は、生理時にいらなくなった子宮内膜が剥がれて出血が起きる仕組みになっていますが、ホルモンバランスが乱れて生殖機能に異常が発生すると、まだ生理予定日ではないにも関わらず、これと同じ現象が起きてしまうのです。

ちなみに、このような出血のことを「機能性出血」と呼び、婦人科系疾患や性交時の出血と区別しています。
症状としては、なかなか血が止まらないケースや、月経前にほんの少しだけ出血したりするケースなど、様々です。

<不正出血が真っ赤な鮮血だった場合の注意点>

不正出血は、女性なら割とよく経験するものです。
しかし、真っ赤な鮮血が出た場合は、次のような病気が隠れている可能性もあるので注意が必要
おかしいと思ったら、早めに病院で診てもらうようにしましょう。
出血だけでなく、腹痛も伴う場合は特に注意が必要です。

▼子宮内膜炎
主に細菌感染によって起きる病気で、不正出血の他には下腹部痛、腰痛、発熱、おりものの増加などの症状が現れます。

▼子宮筋腫
子宮筋腫は、その名の通り子宮内の筋肉にできる良性の腫瘍。
子宮内膜のすぐ下にでき、子宮の内部に向かって大きくなっていく「粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)」という状態になると、不正出血、貧血、月経痛、動悸、息切れなどを引き起こします。

▼子宮頸がん
子宮頸がんは、主にヒトパピローマウィルスに感染することで起こる病気。
初期には自覚症状が出ないことも多いですが、性交時や性交後などに出血がみられたら要注意!
進行すると命に関わるので、婦人科や産婦人科で早めに検査を受けてください。

▼子宮体がん
子宮頸がんと同じく、ヒトパピローマウィルスへの感染によって起こる病気。
がんのできる場所が子宮内膜であることから「子宮内膜がん」とも呼ばれています。
出産の経験がない人、肥満の人、高血圧の人、糖尿病の人、月経不順の人、乳がんの既往歴のある人がかかりやすく、発症年齢は50~60歳頃が最多
主な症状には、不正出血、排尿痛、性交時痛、骨盤の痛み、おりものの異常などがあります。

<機能性出血なら特に心配はいらない?>
ストレスや不規則な生活などによってホルモンバランスが崩れ、これによって起きる不正出血の場合は、それがたとえ鮮血であったとしても心配は少ないものです。
しかし、詳しく検査をしない限り、不正出血の原因が本当は何であるのかは正確に判断できません。

特に、普段から健康に自信のある人は「そのうち治まるでしょう」と軽く考えがちなのですが、中には上記で説明したような深刻な病気の可能性もあるので放置は禁物。
検査の結果、何もなければそれに越したことはないので、時間を作って病院に足を運んでみてください。
この機会にかかりつけのホームドクターを作っておくと、不安な時になんでも相談できるし、体のことを詳しく把握しておいてくれるので安心ですよ。

<ホルモンバランスの乱れによる不正出血で、頭痛が伴うのはどんな時?>
生理でもないのに出血するだけで不安なのに、そこへ頭痛が加わるとさらに心配が増してしまいますよね。
不正出血に頭痛が伴う原因には次のようなものがあるので、チェックしてみましょう。

▼更年期
「更年期障害」になると、不正出血の他に頭痛に悩まされることが多くなります。
これは、ホルモンバランスが乱れて自律神経の働きに支障が出たり、脳に十分な血液が行き渡らなかったりすることが原因
検査をしても特に病気が見つからないのであれば、ストレスや運動不足の解消に気を配ることで楽になるケースもあります。

▼エストロゲンの急激な減少
女性ホルモンは、卵胞ホルモンである「エストロゲン」と、黄体ホルモンである「プロゲステロン」によって構成されています。
エストロゲンの効果としては、肌をしっとりさせたり、髪をツヤツヤにしたりするといったものが有名ですが、さらに血管を拡張して血液の流れを良くする力も持っています。
そのため、生理前や強いストレスなどの原因によって急激に減少すると、血管が収縮して片頭痛を起こすことがあるのです。

<ホルモンバランスの乱れで不正出血があっても、妊娠はできる?>
「将来は子供を持ちたい」と思っても、不正出血があると「こんな体でちゃんと妊娠できるの?」と不安になってしまいますよね。
結論から申し上げますと、何か妊娠を妨げるような病気が隠れているのでもない限り、不正出血がある人でも妊娠はできます。

しかし、不正出血しているということは赤ちゃんのお部屋である子宮内膜の状態が良くないということなので、そうじゃない人に比べると流産の可能性は高くなるでしょう。
生活リズムを整える、ストレスを解消する、しっかり栄養を摂るなど、自分にできることをしつつ、医師に相談して対処法を考えていくことが大切です。

<産後に不正出血が起きるのはなぜ?>
無事に出産を終えてほっとしたのも束の間、予期せぬ不正出血が起きて、体が心配になってしまうママもいると思います。
しかし、赤ちゃんを育て、守る役目を果たしたことでホルモンバランスが急激に変化するので、産後の不正出血はそれほど珍しいものではありません。
また、産後1ヶ月ぐらいの間は悪露(おろ。出産によって剥がれ落ちた子宮内膜や、傷ついた産道からの分泌物などが出てくること)が見られるのは普通のことです。

しかし、中には、徐々に元に戻るはずの子宮がうまく収縮しなかったり、子宮内に胎盤が残ってしまったりすることで、大量に出血してしまうケースもあります。
出血量が多すぎるとショック死につながり、非常に危険なので、この場合は直ちに病院へ向かってください。
出血量がそれほど多くなくても、いつまでもだらだらと続く場合は稀に子宮頸がんや子宮体がんなどの病気にかかっている可能性もあるので、念のため医師の診察を受けておいたほうが良いでしょう。

<授乳中に起きる、ホルモンバランスの乱れが原因の不正出血について>
授乳中は、母乳が十分に分泌されるよう「プロラクチン」というホルモンが多く出るようになっています。
プロラクチンには排卵を抑制する作用があるので、授乳中は生理の再開が起こりにくいのですが、ホルモンバランスが崩れやすい時期なので不正出血することはあります。
特に心配ない場合も多いですが、念のため原因を明らかにしておいたほうが安心なので、早めに病院で診てもらうようにしましょう。

ホルモンバランスが乱れる主な原因は?

<ストレス>
強いストレスを感じると、女性ホルモンに分泌指令を出す脳の視床下部が影響を受けます。
そのため、女性ホルモンがスムーズに分泌されなくなり、バランスが崩れてしまうのです。

<睡眠不足>
睡眠時間が短かったり、睡眠の質が悪くてよく眠れていなかったりすることも、女性ホルモンを減少させる原因になります。
ベッドに入っている時間が十分でも、レム睡眠とノンレム睡眠がバランスよく交互に繰り返されていなくてはあまり意味がないので、睡眠の質を高めることが重要です。

<過度なダイエット>
食事量を極端に減らしたり、特定のものしか食べたりしないようなダイエットの仕方は、ホルモンバランスの乱れにつながります。
女性ホルモンをスムーズに分泌させるためには、体に必要な栄養をしっかり摂ることが大切です。

<運動不足>
運動が足りないと自律神経が乱れ、女性ホルモンの分泌量に影響が出ます。
通勤手段が車や公共交通機関の人、日頃からあまりスポーツに興味のない人はどうしても運動不足になりがちなので、意識して体を動かすようにしましょう。

<妊娠・出産>
子宮内膜を居心地よく整えたり、母乳を分泌させたりするために、妊娠~出産にかけてはホルモンバランスが大きく変化します。
一時的なものなので産後は徐々に落ち着いてきますが、不規則な生活やストレスで悪化するケースも多いので気を付けましょう。

<更年期>
若い頃は十分に分泌されていた女性ホルモンも「更年期」と呼ばれる40~50代に差し掛かると、だんだんその量が減ってきます。
そのため、人によっては身体的・精神的に不調が出ることもあり、不正出血やニキビも起こりやすくなります。

<体の冷え>
体が冷えると血行が悪くなるし、女性ホルモンを分泌させる役割を果たす卵巣の働きにも影響が出てきます。
エアコンのかけすぎ、薄着、冷たい食べ物や飲み物などに気を付け、できるだけ体を温かく保つようにしましょう。

<タバコ>
タバコを吸うとニコチンの作用で血管が収縮し、血行が悪くなるので、女性ホルモンの分泌に必要な酸素や栄養素をしっかり運ぶことができません。
また、ターンオーバーのサイクルが乱れることで、ニキビができやすくなります。

<過度の飲酒>
嗜む程度のアルコールは、血行を良くして美容や健康に役立ってくれますが、過度の飲酒は逆効果。
体温が上がるせいで眠りが浅くなったり、肝臓に負担がかかって女性ホルモンの分泌が妨げられたリして、ホルモンバランスを崩してしまいます。

ホルモンバランスの乱れが原因でできるニキビ

顎や背中などにできる「大人ニキビ」も、ホルモンバランスの乱れによって発生します。
10代の頃のようにスキンケアだけでは治せないのも、体の中に原因があるからなのですね。
特に、30代以降になると女性ホルモンの減少やストレスなどによってバランスが乱れやすくなるので注意が必要です。

ニキビがよくできる時は、皮脂の分泌を抑えて肌のバリア機能を高める「エストロゲン」の分泌量が減り、逆に皮脂を多く出して角質を厚くしてしまう「アンドロゲン(男性ホルモン)」が過剰になっている傾向があります。
アンドロゲンの分泌量が増えると肌が柔軟性を失い、毛穴に皮脂や汚れが詰まりやすくなるので、アクネ菌が繁殖しやすいのです。

ホルモンバランスの乱れによる不正出血やニキビの治療方法

ホルモンバランスの乱れを治療するには、ピルや漢方といった薬がよく使われます。
妊娠中~授乳中にかけてはピルを使うことができませんが、漢方なら飲んでもあまり影響のないものもあるので、医師に相談してみましょう。
それぞれの治療内容について、詳しく説明します。

<ピルを使った治療>
ホルモンバランスの乱れを整えるのに使われるのは、主に「低用量ピル」と呼ばれるもの。
中用量ピル、高用量ピルよりも配合されるホルモンの量を抑えてあるので、副作用の心配もそれほどなく、健康や年齢などの条件に問題がなければ長く使い続けることができます。

ピルにはエストロゲンとプロゲステロンがバランスよく含まれているので、服用によって崩れていたホルモンバランスが整い、不正出血やニキビも次第に治まってきます。
また、子宮内膜の状態が整ったり、不順だった生理が規則正しくなったりするため、妊娠しづらい体質も改善されやすくなるでしょう。

▼考えられる主な副作用
頭痛、吐き気、食欲不振、のぼせ、乳房の張り、体重の増加など。
稀に乳がん、子宮がん、血栓症などを引き起こすこともあるので、定期健診は必ず受けてください。

ピルを使ったホルモンバランスの整え方はコチラで詳しく解説しています。

<漢方を使った治療>
ホルモンバランスを整えるために使われる漢方には、主に次のようなものがあります。

▼加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力中等度以下で、のぼせ、肩こり、疲労感、情緒不安定、便秘などの症状がある人に向く漢方。
体の上の方にたまった気を下へ下げて熱を冷やし、血行を良くしてホルモンバランスを整えます。
※副作用:発疹、かゆみ、吐き気、食欲不振、腹痛、下痢、肝機能障害など

▼当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
虚弱体質で冷え性、貧血、疲労感、下腹部痛、頭重、めまい、動悸、肩こり、耳鳴りなどの症状がある人に向く漢方で、妊娠中でも服用が可能です。
体に必要な栄養を補給し、血行を良くしてホルモンバランスを整えます。
代謝機能を高めて余分な水分を排出させる作用もあるので、冷え性や月経不順の改善にも。
※副作用:発疹、かゆみ、倦怠感、吐き気、食欲不振、腹痛、下痢、めまいなど

▼桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力があり、頭重、めまい、肩こり、のぼせ、冷えなどの症状がある人に向く漢方。
体内で滞った血の流れを改善し、冷えた下半身へ熱を届けてホルモンバランスを整えます。
※副作用:発疹、かゆみ、発赤、吐き気、食欲不振、悪心、下痢など

▼漢方を上手に使うには
漢方は体質に合ったものを飲むことが大切で、合わないものを飲み続けると副作用が強く出たり、効果が得られなかったりするので注意してください。
ホルモンバランス改善のために要する期間は人それぞれですが、西洋医学で使われる薬のような即効性はないので、最低でも3ヶ月以上飲み続けたいところ。
焦らず、ゆったりとした気持ちで治療を続けましょう。

漢方を使ったホルモンバランスの整え方はコチラの記事で詳しく解説しています。

おわりに

ホルモンバランスの乱れによるニキビや不正出血への対処法、いかがでしたか?
妊娠した時のおしるしなど特に心配がいらないものもありますが、生理でもないのに出血するのはなんらかの異常のサインと見て間違いありません。
大人ニキビができたり、治りにくかったりするのも、決して普通の状態ではないですよね。
鍵となるのはホルモンバランス。
早めの対処で体を守りましょう。

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